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クラウド(37)

🎯 データに基づく戦略的なIT移行とハイブリッドクラウド最適化

🚨 移行計画におけるデータ分析の欠如が招くリスク増大
AWS移行を決定した後も、計画策定とリスク対策が定量的に整理されていないままプロジェクトが進行するケースが散見されます。

たとえば、移行対象システムの優先順位付けや業務影響の洗い出しが不十分な場合、プロジェクトの遅延やコスト超過といった思わぬトラブルに直面します。特に、セキュリティ要件や移行後の運用体制の検討におけるデータに基づく抜け漏れは、重大なリスクとなります。

プロジェクト規模が拡大するほど、検討すべき項目は膨大になり、属人的な判断や場当たり的な対応に依存せざるを得ない状況は、プロジェクト全体のリスク指数を不必要に高めてしまいます。移行の成功には、データに基づいた明確な実行計画とリスクヘッジが不可欠です。

🛡️ M365ログとPC操作履歴の統合管理によるセキュリティデータ強化
IT資産管理ツール**「SS1」をご紹介します。これは、Microsoft 365(M365)の操作ログとPC操作履歴**を統合的に取り込み、管理できるソリューションです。

二つのログデータを組み合わせることで、特定の操作やユーザー行動を時間軸で**トレース(追跡)**することが可能となり、疑わしい挙動や異常なデータアクセスを迅速に検証できます。

データ可視性: Excel調の直感的なUIを備えており、専門知識がない担当者でも、異常発生時のセキュリティデータを容易に把握できます。

分析迅速性: 必要な機能に絞ったシンプルな設計により、インシデント発生時の調査時間を最小化し、迅速な対応を支援します。

セミナーでは、具体的な活用方法や運用におけるデータ分析の工夫について解説いたします。

📊 経営におけるデータ活用の重要性の加速とハイブリッドクラウド戦略
現代の経営において、データは最も重要な資産であり、その活用能力が競争優位性を左右します。

一方で、クラウド全面移行は、重要データの所在地の問題(データ主権)や事業継続計画(BCP)要件などの観点から、すべての企業にとって最適な選択肢ではありません。

☁️ 柔軟性と統制を実現するハイブリッドクラウドとは
クラウドの柔軟性と拡張性を享受しつつ、データ主権やBCPといった統制(ガバナンス)の要件にも対応可能なのがハイブリッドクラウドです。

これは、クラウドとオンプレミスを戦略的に統合することで実現します。本ソリューションでは、統合に関する基本知識から実践的なデータ連携事例まで、幅広い情報を提供し、お客様の最適なITポートフォリオの設計を支援します。

💡 この情報が役立つターゲット層の明確化
クラウド導入によるビジネス上のメリットや、それに伴う課題、リスクを定量的に理解したいビジネスリーダーや意思決定者

自社のインフラ運用における限界点を認識しており、運用負荷・人材不足の解消をデータに基づき図りたいIT部門責任者

クラウド活用を進めたいが、すべてをクラウドに移行することにセキュリティやデータガバナンス上の不安を感じている担当者

新たな技術やサービスを導入しながら、システムのクラウドシフトを段階的かつ計画的に進めたい推進担当者

機密性の高い情報や個人情報を含むデータの管理に慎重な統制を求める責任者

💾 メガクラウド全面移行に伴うデータ戦略リスクとハイブリッドアーキテクチャの必然性

1. データ戦略の現実:メガクラウド全面移行の限界点
クラウドファースト戦略が普及した結果、多くの組織がメガクラウドへのシステム移行を進めてきました。しかし近年、**「全てのデータをクラウドに移行することは最適ではない」**というデータ戦略上の現実が明確になっています。

この背景には、以下のデータに起因するリスクと制約が存在します。

データ主権とセキュリティリスク: 特定の規制要件を満たすために、データの地理的な配置やアクセス制御に厳格な制約(データ主権)が求められるケースがあり、メガクラウド単体では満たせない場合があります。

レガシーシステムの制約: 既存の基幹システムがクラウド環境への大規模な改修を許容しない、あるいはデータ連携の複雑性から移行コストが高すぎるという課題。

通信帯域と遅延(レイテンシ)のデータ制約: 大容量データやリアルタイム性が求められるシステムにおいて、クラウド接続時の通信遅延が業務パフォーマンスを低下させるリスク。

コストリスクの変動性: 為替変動やメガクラウドの利用料金体系の変化が、長期的なIT運用コストを不透明にし、予測可能性を低下させるリスク。

2. データ要件に基づくクラウド利用の多層的選択
メガクラウド、プライベートクラウド、オンプレミスといった多様な選択肢の中で、組織はデータとワークロードの特性に基づいた戦略的な使い分けが求められます。

環境推奨されるデータ/ワークロード理由(データコンサルタント視点)
メガクラウド俊敏性が求められる開発・検証データ、AI分析基盤、一時的な大量データ処理スケーラビリティと最新のデータ分析サービスの迅速な利用が可能。
プライベートクラウド / オンプレミス高いセキュリティ要件やレガシー制約を伴う基幹システムデータ、機密性の高い顧客データ厳格なデータアクセス制御と規制要件への対応、および既存システムとの連携維持。

重要なのは、これらの環境を単に分断するのではなく、データとシステム全体を横断する最適化の観点からアーキテクチャを設計し、安全かつ効率的にデータフローを確立することです。

3. 「攻守一体」のデータ戦略を実現するハイブリッド接続基盤
メガクラウド全面移行に課題を抱える組織に対し、シーイーシーが提供する利便性の高い「都市型データセンターのハイブリッド接続基盤」は、“攻守一体”のクラウド戦略を実現するための現実解を提供します。

この基盤は、国内データセンターと主要メガクラウドを直結・低遅延(低レイテンシデータ)で接続します。オンプレミスに残す機密データとの併用を前提とした設計・運用支援により、以下のメリットを提供します。

データ利活用の加速(攻め): メガクラウドで蓄積・分析したデータを、社内から同一LAN感覚で迅速に活用可能にします。分析結果の利用やデータ転送にかかる時間を大幅に短縮します。

信頼性の確保(守り): 高い信頼性とセキュリティを備えた国内データセンターを基盤とし、BCP対策や事業継続性の観点からも堅牢なデータ配置を支援します。

段階的な移行と最適配置: 既存オンプレミス環境もホスティングサービスを通じて段階的かつ安全に移行できます。基幹業務、開発環境、AI分析基盤など、要件の異なるシステムを目的やセキュリティレベルに応じた最適環境に柔軟に配置・運用できる基盤を実現します。

4. 最適なデータ配置戦略が求められる組織の要件
このハイブリッド構成は、以下のデータガバナンスやリスク管理の課題を抱える組織に特に有効です。

データ主権やセキュリティ規制によりクラウド全面移行が難しい。

為替変動やクラウド利用コストの高騰といった財務リスクをデータとして管理したい。

クラウド移行を進めたいが、既存オンプレミス資産の連携と段階的移行に悩んでいる。

BCP対策や事業継続性の観点から、地理的に分散された堅牢なハイブリッド構成を検討している。

🔐 SaaSログ分析の深化とセキュリティデータガバナンスの課題

1. Microsoft 365ログデータの解析と統合の難易度
多くの組織では、PC操作履歴やIT資産管理は実施されているものの、Microsoft 365(M365)の詳細なアクティビティログの管理は依然として課題です。M365のログは通常、JSON形式で出力されるため、そのままでは可視化や他のログデータとの統合分析が困難です。

データ分析の障壁: PC操作ログとM365ログを突き合わせ、正規ユーザーを装った認証突破やTeams・SharePoint経由での不審なファイル共有といった複合的な挙動を分析するには、高度な専門知識と多大なデータ加工工数が必要です。その結果、情報漏洩の初期兆候データを迅速に検知できず、重大なリスクを見過ごす恐れがあります。

2. M365ログ統合管理による脅威検知能力の強化
PC操作履歴とM365ログを統合的に管理できる資産管理ツール「SS1」は、この課題に対する解決策を提供します。

M365のアクティビティログとPC操作ログを組み合わせることで、特定の操作やユーザーの行動を時系列でいつでも追跡できる包括的なデータセットが構築されます。これにより、疑わしい挙動に対する迅速な検証が可能となります。このツールは、Excel調の直感的なUIを備えており、専門知識がない担当者でも異常データを容易に把握し、運用負荷を軽減します。

📈 SaaSセキュリティの現状:設定不備によるインシデントリスクの定量化
3. 国内で増加するSaaSインシデントとリスクの増大
SaaSの導入は業務効率化と利便性向上をもたらしましたが、その運用・監査体制が追い付かず、設定不備に起因する情報漏洩事故が国内で増加しています。

金銭的影響の定量化: セキュリティ事故による個人情報漏洩が発生した場合、金銭被害は12億円、法令違反による制裁金は91億円に上る試算もあり、その影響は組織にとって甚大です。

事例に見る設定データの重要性: 「Salesforce」の設定不備、「GitHub」の不正アクセス、「Microsoft Teams」の設定ミス、「Microsoft 365」の不正ログインなど、”安全”と見なされていたSaaSでも、設定ミスという内部要因が情報漏洩の直接的な原因となっています。

各サービス特有の複雑な設定、アカウントの棚卸し、不審なアクティビティ監視が情報システム担当者の属人的作業に依存している現状では、見落としや設定ミスが不正アクセスの入口となるリスクが構造的に高まっています。

4. 人力によるSaaS設定管理の限界とSSPMの必然性
複数のSaaSを運用する大規模組織では、サービスの仕様把握や設定管理に膨大な人手と時間がかかり、特に部門ごとや関連会社ごとの契約運用が統合管理を困難にしています。

非効率性のデータ: 定期診断で設定を確認していたとしても、設定変更が発生した際に即座に把握することは人力では困難です。また、大量のログからの不審なアクティビティ調査や、不要なアカウントの棚卸しといった作業は、情報システム担当者のコア業務を圧迫しています。

こうした背景から、SaaSを安全な状態に保つため、設定の誤りを継続的に監査・可視化するSaaS Security Posture Management(SSPM)への関心が高まっています。SSPMは、属人的な監査作業を自動化し、複数SaaSのセキュリティ状態を統合的なデータとして管理可能にする、今後の必須アプローチです。

5. SSPMによる「気づけない設定ミス」の最小化と監査の自動化
複雑なSaaS設定や監査作業を人力で行うことには限界があります。情報漏洩の引き金となる**「気づけない設定ミス」**を可視化し、セキュリティ対策を強化することが喫緊の課題です。

「SaaS時代の監査と可視化の新しいカタチ」では、SSPMの仕組みと導入効果を詳細に解説します。

 SaaSセキュリティ監査ソリューション(AppOmni利用): このソリューションは、Microsoft 365やSalesforceなど複数SaaSを横断的に監査し、豊富な診断項目、不審アクセス検出、および外部連携(連携アプリ)の監査といった具体的な機能を提供します。

ターゲット層: 主に従業員1,000人以上の企業で、情報システム部門、インフラ/ネットワーク運用、セキュリティ運用を担う実務担当者や管理者層を対象としており、SaaSセキュリティの可視化・改善に課題を感じ、人力による管理の限界から自動化・統合管理のアプローチ(SSPM)を検討している組織にとって、実践的な手法をご確認いただけます。

☁️ クラウドネイティブ環境におけるデータ統制不全とリスクの定量化

1. クラウドリフト後の新たなデータガバナンス課題
多くの組織でAWSへのクラウドリフトが完了し、Control TowerやOrganizationsといった基盤レベルの**ガードレール(共通統制データ)**の整備が進んでいます。しかし、クラウドネイティブなアプローチ(コンテナ、CI/CD、IaC:Infrastructure as Codeなど)が急速に普及するにつれて、各部門が独自の環境を構築・運用するケースが増加しています。

データ統制の逸脱: 当初設定された基盤の統制範囲を超えて展開されるこれらの新しいワークロードは、「誰がどのデータ資産を管理しているか不明瞭」な状態を引き起こし、全体的なデータガバナンスの統制不全という新たな課題を顕在化させています。

2. 統制不全が経営に与える深刻なインパクト(データ視点)
統制が効かない状態は、単なる管理上の問題に留まらず、以下の通り、セキュリティ、コスト、および組織効率に対して定量的な悪影響を及ぼします。

セキュリティリスクの増大: 設定ミスやアクセス権限の過剰付与といった脆弱性データが増加し、監査対応の煩雑化を招きます。

コスト分析の困難さ(FinOpsの失敗): AWSの従量課金の特性上、統制不全はコスト管理の難しさを加速させます。「気がつけばコストが右肩上がり」となり、「全社で何にいくら使っているのか把握できない」という状態は、経営層にとって深刻な財務データガバナンスの欠如を意味します。

現場と統制部門のジレンマ: 情報システム部門は、統制を強化すれば現場の開発スピード(デリバリー速度データ)や柔軟性を損ない、緩めればリスクやコストが増大するという、**「セキュリティ」「利便性」「コスト最適化」**という3つの要素間のジレンマに直面します。

今、求められているのは、クラウドネイティブな領域まで含めたガバナンスの再設計であり、この3要素を両立させる新たなデータ駆動型のアプローチです。

3. 解決策としての実効性あるAWSガバナンス設計
現場で蓄積されたノウハウ・事例に基づき、属人的な運用や形骸化した統制から脱却し、クラウドネイティブ環境まで含めて機能する実効性のあるAWSガバナンス設計が必要です。

この設計では、以下の要素を全て満たす方法論を具体的に解説します。

セキュリティ強化(守り): 新しいワークロードのリスクデータをリアルタイムで把握・制御します。

現場スピードアップ(攻め): 開発者が規定された安全な範囲内(ガードレール内)で自律的にリソースを利用できる利便性を向上させます。

コスト最適化(FinOps): リソース利用状況の透明性を高め、無駄なリソースを特定・削減するプロセスを組み込みます。

4. 専門性の高い支援サービスによるガバナンス実現
自社でこの高度なガバナンス仕組みを構築・運用するには、高度なAWS知識、セキュリティ知見、そして現場経験が不可欠であり、組織にとっては大きなハードルとなります。

包括的クラウドネイティブ化支援サービスやFinOps支援サービスは、この課題を解決します。これらのサービスは、現場の課題や運用実態に合わせたガバナンス設計、インフラ構築、そしてクラウドコストの最適化を専門的にサポートします。

本提案では、サービスの特長、および実際に導入した企業の最新事例をご紹介し、**「現場で本当に機能する全社統制の取り組み」**をデータに基づいて実現する方法をお伝えいたします。AWS運用・ガバナンスに課題を感じている情報システム部門の管理者層や担当者にとって、来期に向けた新たな体制づくりを検討する上で重要な知見となります。

🎯 データ活用能力の内製化:自走型運用チーム構築のための実践的育成プログラム

1. AWS運用におけるノウハウのデータ蓄積と内製化
多くの組織でAWS運用がベンダー任せとなり、実務ノウハウという貴重なデータ資産が社内に蓄積されないという課題に直面しています。クラウド運用を任せられる人材を育成し、外注依存から脱却できる「自走型運用チーム」の構築が急務です。

この実践型教育プログラムは、AWSを扱う技術者の育成を支援し、実務スキルを社内にデータとして蓄積することを目的としています。

実践的なデータ分析能力の養成: 受講者は「初級」「中級」を経て、「総合演習」で実践的なスキルを習得します。特に総合演習では、模擬RFP(提案要求書)という実務シナリオを題材に、提案、設計、構築、運用という一連のプロジェクトサイクルを体験します。これにより、実務判断力、設計力、実装力といった総合的な問題解決能力を養成します。

教育後の継続的な知識サポート: カリキュラム終了後も講師陣が現場での疑問や課題を継続的に支援するサポート体制を提供することで、学習した知識が現場で定着し、実務データとして活用されることを確実なものとします。新入社員や未経験者を、実務で通用するAWSエンジニアへと効率的に育成するための最適なプログラムです。

🌐 マルチクラウド環境におけるデータ接続性と統合基盤戦略
2. 各種クラウド接続サービス:データ連携の低遅延と冗長化
ハイブリッド/マルチクラウド環境におけるデータガバナンスの成功は、セキュアで信頼性の高いデータ接続基盤にかかっています。

ガバメントクラウド接続の要件: 自治体の庁舎など指定場所からの接続をワンストップで提供可能です。既存WANなどを活用した回線持ち込み、冗長化のためのマルチキャリア提案、さらにはクラウド側の東西冗長にも対応することで、可用性の高いネットワークデータを確保します。

Microsoft 365接続の最適化: 当社では、専用回線による安定接続に加え、M365宛の通信を振り分けるマネジメントサービスを提供します。これにより、特定のSaaSトラフィックの分離と最適化を実現し、パフォーマンスデータを向上させます。

3. データ連携:基幹システム間のセキュアなデータフロー
ガバメントクラウドに移行したシステムと、オンプレミスに残存したシステムの間でセキュアかつ効率的にデータを連携する機能を提供します。

基幹業務システム標準化で求められる共通機能の一つである庁内データ連携機能として、専用プライベート接続ハブと組み合わせて提供します。これにより、セキュアなクローズドネットワーク上で、柔軟かつ拡張性の高いデータ連携構成の提案が可能となります。

4. 統合マルチクラウド基盤:コスト効率と可用性のデータ設計
在るクラウドサービスは、ISM_AP取得済みであり、BCR承認、APECのCBPR認証も取得しているため、高いセキュリティと国際的なデータガバナンス要件を満たします。

可用性の確保: 東西リージョンを展開することで、可用性の高いシステム構成を実現可能です。

安定的なコスト予測: トラフィック容量による従量課金がなく、安定的なコスト体系を提供します。日本国内のサービスであるため、為替変動の影響を受けないという財務リスク管理上のメリットもあります。

【自治体クラウド移行事例】 ある自治体では、オンプレミスで管理していた統合情報処理システムを段階的にクラウド化しました。Microsoft Azureを基盤に一部システムを稼働させ、翌年度からは第2弾として、より重要なシステムをクラウドへシフトしています。アプリケーションはシステムごとに調達し、インフラとアプリケーションの分離調達というデータ連携の柔軟性を高める形式で整備を進めています。今後はAWSやGoogle Cloudの利用も予定しており、要件の異なるデータとワークロードをクラウドサービスの適材適所で活用するマルチクラウド戦略が実現されようとしています。

⚠️ クラウドサービス利用における潜在的なリスクデータの可視化
クラウドサービスを利用する上で、組織が直面する主要な課題は、以下の通り、セキュリティ、コスト、および運用効率にわたります。

シャドーITの横行: 非承認クラウドサービスの利用により、管理対象外のデータが発生し、データ統制が困難になります。

インターネット上の脅威への対策: 外部に公開されたシステムへのサイバー攻撃に対するログ分析と対応が不十分なリスク。

情報漏洩対策: データが分散することで、一元的な情報漏洩対策が難しくなるリスク。

管理ツールの多重化: 各クラウドサービスやセキュリティ製品の管理ツールが乱立し、運用工数が増大するリスク。

更新運用の面倒さ: 継続的なセキュリティパッチやバージョンアップ対応の運用負荷データの高さ。

拡張機能の制御: 意図しないクラウド機能の利用や設定変更によるガバナンス逸脱リスク。

互換性のないレガシーサイト: 古いシステムとのデータ連携や移行が技術的に困難なリスク。

☁️ Microsoft 365の普及と潜在するデータセキュリティリスク

1. M365利用の常態化と「設定不備」という内部リスク
多くの組織でMicrosoft 365(M365)の業務利用が常態化していますが、「Microsoft標準のセキュリティがあるから大丈夫」という認識のまま、データガバナンスとセキュリティ設定の十分な対策を講じないケースが散見されます。

リスクの構造分析: クラウドセキュリティを脅かす要因の多くは、外部からの攻撃ではなく、設定不備という内部要因に起因しています。設定や管理スキルが不足している組織は、M365が生成する膨大なログデータの中に潜む**「見えないリスク」**を抱えがちです。

2. 脅威の拡大:メールからコラボレーションデータへの波及
従来のフィッシングやビジネスメール詐欺(BEC)といったメール経由の攻撃に加え、現在は「Microsoft Teams」や「Microsoft SharePoint」を悪用した高度な攻撃手法が増加し、脅威の対象はコラボレーションツール全体のデータ利用経路へと拡大しています。

日常的なM365の利用ログを分析しても、複雑なセキュリティ設定や潜在的なリスクの全体像をデータとして把握しきれていないことが多く、「自社の環境は本当に安全なのか」という漠然とした不安が、セキュリティ態勢の不透明性を物語っています。

3. 設定不備リスクの定量化と診断コストのジレンマ
M365をはじめとするSaaS環境では、わずかな設定不備が情報漏洩という重大なリスクに直結します。SaaSを狙う攻撃が増加する中、M365環境は標的になりやすく、なりすまし、マルウェア、機密データ流出など、多様な脅威に常にさらされています。

運用の課題: 複雑な設定を正しく管理し続けるには高度なスキルが求められ、影響範囲を考慮しながら個別に対応することは運用工数という大きな負荷となります。

コストの壁: SSPM(SaaS Security Posture Management)やアプリケーション診断による継続的なセキュリティ監査を実施したいと考えても、診断コストが高く、定期的・継続的なデータ監査が現実的に困難な組織が多いのが実情です。

こうした状況では、限られたリソースで効率的にM365環境を守るため、セキュリティ監査の自動化と、外部の高度な分析サービスの活用が不可欠となっています。

4. リスクの可視化から始めるセキュリティ強化アプローチ
M365環境におけるセキュリティ評価基準の現状を踏まえ、標準機能の限界や設定不備が生むリスクをデータコンサルタントの視点から解説し、以下の具体的な解決策をご提案します。

A. M365設定監査のコスト効率化とリスク可視化
高コストな診断に頼らずに自社環境の安全性を確保する方法として、在るソリューションは、継続的な設定監査を通じて、セキュリティリスクを可視化し、限られたリソースで効率的に防御態勢を維持することを支援しております。

B. メール・コラボレーションデータ保護の強化
メールおよびコラボレーションセキュリティの重要性を再整理し、その課題解決策として、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの「Harmony Email & Collaboration」があります。

このソリューションは、リスク可視化に役立つアセスメントレポートなどの機能を提供し、メールだけでなくTeamsやSharePointのトラフィックも分析することで、脅威データの捕捉範囲を広げ、導入組織のセキュリティ強化に貢献します。

Microsoft 365を安全に活用するためのセキュリティ強化アプローチを知りたい管理者層には、リスクの可視化と自動化を組み合わせたこれらの手法が不可欠です。

👨‍💻 人事イベント起因のID管理業務におけるデータガバナンスの課題

1. 人事イベントと混在環境が招くID管理データ操作の限界
入社、退社、異動、出向といった人事イベントの発生は、情報システム部門に対し、AD、オンプレミスシステム、SaaSといった混在環境にまたがるアカウントや権限の手動設定・削除という膨大なデータ操作業務を発生させます。

リスクの定量化: システムが混在している環境では、この手動対応における遅延率や漏れ率がセキュリティ事故や監査リスクに直接的に相関します。特にイベントが集中する時期には、人的リソースだけでは処理しきれず、アカウントデータの不整合が発生し、IDガバナンスの破綻を招く恐れがあります。

2. 分散された人事データと権限管理がもたらす非効率
部門単位で人事データやアカウント情報を管理している組織では、AD、オンプレミス、SaaSなど、システムごとにデータ形式や運用プロセスが異なり、**人・組織情報の一貫性(SSoTの欠如)**が確保できていません。

このような環境下では、異動・出向時の権限調整やアカウント棚卸しといったデータ整合性確保の作業に大きな負担がかかり、ID情報の可視性や正確性が損なわれやすくなります。属人化された運用は、組織規模が拡大するほど、運用工数の非効率性として顕著に露呈します。

3. 人・組織マスタ基盤によるID統制の実現
このような煩雑な環境を整理し、ID統制を再設計するためには、異なるシステムを跨いで人・組織情報を統合的に管理できる**「SSoT(Single Source of Truth:信頼できる唯一の情報源)」**の構築と、IDガバナンス(IGA)の導入が有効です。

本提案では、YESODのディレクトリサービスとアカウントコントロールを活用したアプローチをご紹介します。人事イベントをデータ連携の起点とし、各システムへのアカウント・権限情報を自動連携することで、混在環境下でのID管理の自動化とガバナンス強化を実現するアーキテクチャを具体的なステップでご案内します。

☁️ クラウドシフトと社内AWS運用能力のデータ蓄積
4. クラウドネイティブ環境における社内対応力の欠如
多くの組織がAWSを中心としたクラウド環境へ移行し、システム運用のあり方が根本的に変化しています。しかし、これまでインフラ運用を外部委託に依存してきた組織では、クラウドの設計思想や運用ノウハウを十分に理解した人材が限られています。

運用リスクの顕在化: 障害発生時や構成変更といった**「いざという時」に、社内で迅速に判断・対応できる人材が不足しており、「自分たちで動かせない」**という運用上の課題が浮き彫りになっています。

5. 運用ノウハウの外部依存と障害対応の属人化
AWS運用をベンダー任せにしていると、日々の監視、構成変更、セキュリティ対応といった重要な判断の知見が外部に留まり、社内でのノウハウ蓄積というデータ資産が生まれません。

その結果、類似の課題が発生しても、対応に時間がかかり、**運用スピードや品質(サービス品質データ)**が低下します。属人化を防ぎ、AWSの標準運用を社内に浸透させるためには、座学や資格取得にとどまらない、**実務データに基づいた「実務体験」**を通じた実践的な教育が不可欠です。

この課題は、AWS運用がベンダー任せとなり社内にノウハウが残らないと感じている組織、クラウド運用を任せられる人材を社内で育てたい情報システム・開発部門、および新入社員や未経験者を実務で通用するAWSエンジニアへ育成したい教育担当者にとって、喫緊で取り組むべきテーマです。