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ストレージ(8)

1. データ基盤最適化戦略:クラウドストレージ移行の必要性診断

~レガシーファイルサーバーが抱える潜在的リスクの定量化~

データコンサルタントとして、ファイルサーバーからクラウドストレージへの移行を検討すべきか判断するために、以下のリスクチェックリストをご活用ください。一つでも該当する場合、データ基盤の抜本的な見直しが必要です。

リスクチェック項目潜在的なビジネスリスク
ファイルサーバーの更改・保守が運用負荷になっている予期せぬ故障によるダウンタイムリスク、ITリソースの非戦略的投入
モバイルデバイスからのデータアクセスに制限・遅延がある営業活動や現場作業のスピード低下、機会損失
ストレージ容量が逼迫しており、継続的な増設コストが発生している資本的支出(CapEx)の増大、スケーラビリティの限界
VPN接続なしでのファイルアクセスが不可能であるリモートワーク環境での生産性低下、ネットワーク遅延によるストレス増大
ハードウェア機器の運用・保守業務に多くの工数を割いているIT部門のコア業務への集中阻害、運用コストの増加
情報漏洩などのインシデント発生時に、詳細なアクセスログが不足しているフォレンジック調査の困難化、データガバナンスの欠如

1.1 移行計画におけるデータ戦略の柔軟性

ファイルサーバーの更改において、選択肢はクラウドストレージへの「完全移行」に限定されません。データ利用の実態やセキュリティ要件に基づき、部門ベースの段階的移行や、特定のレガシーデータをオンプレミスに残す併用(ハイブリッド)アプローチを組み合わせることで、全社的なコストパフォーマンスとリスク耐性の最適化を実現できます。

2. クラウドストレージが実現する「データへのユニバーサルアクセス」
~生産性を最大化するデータ同期戦略~

Dropboxのようなエンタープライズ向けクラウドストレージは、企業のデータアクセス戦略を根本的に変革し、生産性を飛躍的に向上させます。

モバイルデバイスへのデータ展開: Windows、Macのデスクトップアプリに加え、iOSやAndroid用のモバイルアプリ、ウェブブラウザからのアクセスをサポートします。デバイス間でファイルが常時同期されるため、場所やデバイスに依存しない最新データへのユニバーサルアクセスを実現します。

アクセス遅延の解消とVPN依存からの脱却: DropboxへのアクセスにVPNは不要です。良好なネットワーク環境下であれば、社内外問わず快適な利用が可能です。また、独自の同期技術はネットワーク環境が不安定な状況でも利用体験を最適化します。さらに、オフライン同期設定により、ネットワーク非接続環境下でのデータ利用も可能となり、データの可用性を最大限に高めます。

3. データガバナンスとコスト効率の最適化
~運用負荷軽減とリスク対応力の向上~

3.1 運用保守費用の削減とスケーラビリティの確保
企業向けクラウドストレージは、ストレージ容量の問題を解決し、ハードウェア機器の設置や運用保守費用を不要とします。

TCO(総所有コスト)の削減: ハードウェア償却費、設置・運用・保守コスト、サーバーOSの更新作業から解放されます。

柔軟な容量拡張: チーム全体で利用するストレージ容量は必要に応じて簡単に追加・拡張可能であり、将来的なデータ増加に対するスケーラビリティを確保します。

3.2 IT管理の効率化とデータリスクへの対応力
クラウドストレージへの移行は、IT部門をハードウェア管理の低付加価値業務から解放し、より戦略的な業務へリソースを集中させます。

ログの活用によるリスク対処: 企業ITに求められる各種ログを詳細に取得・活用し、情報漏洩などのインシデント発生時に迅速かつ的確な対処を可能にします。これは、データガバナンスと監査対応の強化に直結します。

大容量ファイルの安全な共有: 100GB超の大容量ファイルを社外へ安全かつ効率的に共有する方法を確立することで、シャドーITの使用リスクを低減し、企業データの安全性を確保します。