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セキュリティ運用における課題:SIEM、トリアージ、対応の非効率性

現状のセキュリティ運用においては、SIEM(Security Information and Event Management)によるアラートのトリアージとインシデント対応が、依然として手作業かつ反復的なプロセスに依存しているという課題が存在します。

高度化するサイバー脅威の検知は、膨大なデータの中からわずかな兆候を特定する作業に例えられます。セキュリティアナリストや脅威ハンターは、攻撃の痕跡を明らかにするために、日々大量のログデータを精査する必要があります。しかしながら、多くの組織では、複数のコンソールを跨ぎながら手動でイベントを関連付け、反復的なタスクに時間を費やす「回転椅子症候群」に陥っており、貴重なリソースが有効活用できていません。

例えば、フィッシング攻撃のアラートに対するトリアージ業務においては、担当者が終日(1日8時間)を費やし、ドメインや添付ファイルのレピュテーションを外部ソースと照合するといった手作業による確認が常態化しています。

パフォーマンスの低いSIEMがもたらす影響:ハンティングと調査の遅延
従来のSIEMは、現代の複雑なIT環境や高度な脅威に対応するために最適化されておらず、脅威ハンティングやインシデント調査のスピードを著しく低下させる要因となっています。

多くの従来型SIEMが採用しているインデックスベースの検索方式は、計算リソースを大量に消費し、システムパフォーマンスに悪影響を及ぼします。アナリストの報告によれば、一部のSIEMクエリにおいては、結果が得られるまでに数時間から数日を要するケースも散見されます。ログボリュームやログソースの増加に伴い、インデックスサイズも肥大化し、この問題はさらに深刻化する傾向にあります。

次世代SIEMに求められる8つの要件:進化するセキュリティ要件への対応
進化し続けるセキュリティおよびロギングの要件に対応するためには、以下の8つの目標を達成できる次世代SIEMの導入を検討すべきです。

セキュリティ運用を統合するAIネイティブプラットフォームによる複雑性の克服: 近年、SIEMは単なるログ管理ツールから、高度な脅威検知と対応を統合的に行うプラットフォームへと進化を遂げています。複雑化する現代のセキュリティ環境においては、AIネイティブプラットフォーム上でのSOC(Security Operations Center)統合が不可欠となります。
データ中心のアプローチによるセキュリティ運用の変革: サイロ化されたセキュリティ対策からの脱却が必要です。エンドポイント、アイデンティティ、クラウドワークロードの保護から、エクスposure管理やデータ保護に至るまで、セキュリティスタックの主要な要素を統合したデータ中心のアプローチへの移行が求められます。
ネイティブツールとデータソースによる完全な可視性の実現: プラットフォームに統合されたネイティブツールとデータソースを活用することで、アナリストの操作性を向上させながら、IT環境全体の完全な可視性を確保できます。
豊富で高品質なデータによるユースケースの実現: データソースに依存しないという考え方もありますが、実際には、重要なユースケースを効果的に実現するためには、自動的なオンボーディング、正規化、および関連付けが可能な、豊富で高品質なデータが不可欠です。
クラス最高の専用機能の統合: 脅威インテリジェンスや振る舞い分析といった、専門性の高い最先端の機能が統合されたプラットフォームを選択することで、より高度な脅威に対応できます。
統合されたエクスペリエンスの提供: 単一のエージェントによるデータ収集の簡素化と、強力な分析または長期保存のための柔軟なオプションを提供することで、一貫性のある運用エクスペリエンスを実現します。
これらの要件を満たす次世代SIEMを導入することで、セキュリティ運用の効率化、脅威検知能力の向上、そしてインシデント対応の迅速化が期待できます。

サイバー攻撃の高度化に対応する、データドリブン・セキュリティの鍵:「ログデータ分析基盤」の再構築

デジタル化の急速な進展は、サイバー攻撃の脅威ベクトルを多様化させています。「攻撃の完全防御が不可能」という前提に立った場合、インシデント発生後の被害を最小化するレジリエンス(回復力)の確保が、データ分析における最重要課題となります。

このレジリエンスを実現するために最も有効なデータソースが「ログデータ」です。

ログは、インシデントの兆候を早期に検知し、迅速な原因特定(RCA)を可能にするだけではありません。情報漏洩の防止や内部統制の証跡として、データガバナンスの根幹を成すものであり、”セキュリティの要”となる分析対象データそのものです。

実際、大規模組織では統合ログ管理製品の導入が進み、堅牢なデータ収集体制の構築が進められています。しかし、分析基盤の中核となる「SIEM(セキュリティ情報イベント管理)」において、送信される全イベントデータのうち、実際のセキュリティ分析に有効な「シグナル」となるデータは3割程度に過ぎないという分析結果もあります。

残りの「ノイズデータ」の転送・保持が、ストレージコストやライセンスコストを不必要に増大させ、運用負荷を高めている実態がデータから見えています。これは、セキュリティ投資のROI(投資対効果)を著しく低下させる要因です。

データ分析の致命傷:「ログデータの欠損(取りこぼし)」という経営課題
大規模組織におけるログデータ基盤において、見過ごされがちな重大な課題が「データの欠損(取りこぼし)」です。

複数の拠点や多様な顧客環境からログデータを収集・統合するプロセスにおいて、設定不備や運用上の問題から、意図せず収集漏れが発生しているケースが散見されます。障害調査やセキュリティ分析を実行すべき時に必要なデータが欠損していては、正確な状況把握や原因特定は不可能です。これは、データ分析の品質(Data Quality)を根本から揺るがす問題です。

さらに、ログサーバ自体の不全によるデータ収集停止と復旧の遅延、システム間のログフォーマットの差異による「データのサイロ化」、多様なデータソースへの対応不可といった問題も、一元的なデータ分析を阻害します。

これらの課題は、インシデント対応の遅延による事業影響の拡大や、非効率な運用によるTCO(総所有コスト)の増加に直結するため、データ品質と収集効率を担保する仕組みの再構築が不可欠です。

高速なデータ処理とTCO最適化を実現するログ基盤:セキュリティ運用の高度化
高度化するサイバー攻撃に対峙するため、多様かつ膨大なログデータをいかに最適に収集・管理し、分析に活用すべきでしょうか。本セミナーでは、サイバー攻撃の高度化を背景に、大規模な企業・組織が直面するログデータ管理の課題と、その解決策をデータに基づき解説します。

まず、拠点や顧客ごとにデータがサイロ化し、一元的な横断分析が困難な現状を整理します。次に、ネットワーク機器のトラフィックログや認証ログ(Active Directory等)といった高頻度・大容量データの発生が引き起こす「データ欠損(取りこぼし)」のリスク、さらに収集データのパンクによる予期せぬシステム停止と、それに伴う二次的なデータ欠損の発生など、大規模組織特有の課題を可視化します。

その上で、SIEMへの「ノイズデータ」転送が引き起こすコスト増大と分析効率の低下に着目し、セキュリティ運用のTCO最適化に求められるデータ基盤の要件を定義します。

解決策として、最大**10万EPS(Events Per Second)の高速なデータ処理性能と暗号化機能を備え、OSとソフトウェアが一体化されたオールインワン・アプライアンスとして迅速なデータ基盤構築を実現する「syslog-ng Store Box(SSB)」をご提案します。

各拠点のログデータを一元的に集約・管理し、セキュリティ運用のデータ品質を向上させた独立行政法人の導入事例データなども交えて、その具体的な効果をご紹介します。

「インシデント発生時の原因究明に必要なデータが不足している」

「ログデータが分散・サイロ化し、横断的な分析ができていない」

「SIEMの運用コストと分析精度がアンバランスになっている」

このようなデータ課題をお持ちの担当者にとって、実践的なヒントとなる内容です。ぜひご相談ください。