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サイバーセキュリティ全般(13)

 サイバーセキュリティ課題の明確化

ICS/SCADA システムのセキュリティは、複雑かつ高度な管理が求められるにもかかわらず、企業の多くが体系化されていない断片的な対策を取っている現状があります。OT セキュリティの各側面に対する調査結果によれば、組織の多くが統一されたアプローチではなく、個別に対応していることが明らかになりました。

セキュリティ対策の現状と将来的な展望の説明

現在、企業が採用しているセキュリティ対策は、SSHやTLSによる暗号化が52%、セキュリティ分析が74%と、広範囲にわたる対応が行われています。しかし、暗号化を導入している企業はまだ半数程度にとどまり、今後1年間で30%の企業が新たに暗号化の導入を計画しています。特権ID管理 (PIM) 技術導入のプロジェクトに次ぐ新規導入が見込まれる施策です。

OT セキュリティの脅威と対応強化の背景分析

OTシステムへの脅威が年々高度化し、その対策が急務となっている背景から、企業はセキュリティ強化に向けた取り組みを加速させています。ICS/SCADAセキュリティ戦略に寄与する要因として、サイバー犯罪者や国家的な攻撃者の脅威が2018年に比べて増加し、75%の回答者がサイバー犯罪に対する懸念を示しています。

 顧客システムの重要性とセキュリティの必要性強調

顧客向けシステムへの攻撃を懸念する回答者が増加しており、これが市場の急速な進化と顧客システムの重要性の高まりを反映しています。この傾向から、顧客データやシステムを保護するための強固なセキュリティ対策が今後一層重要になると考えられます。

 個人デバイスとクラウド技術に対する懸念の変化

従業員が個人所有のデバイスやクラウド技術を業務で使用することに対する懸念は、前年度に比べて減少しています。これは、BYODやシャドーITへの対策が進んだ結果、これらのリスクを管理できる環境が整備されつつあることを示唆しています。

セキュリティインシデント対応の成功要因

ITシステムにおけるセキュリティインシデント対応の成功は、適切なプロセスとツールの導入が鍵となります。特に、ITサービスマネジメント (ITSM) を導入することで、インシデントの早期発見、迅速な対応、および情報共有が大幅に改善され、全体的なセキュリティの強化が図られます。

 ITSMの役割の説明

ITSMは、ITサービスの提供と管理を標準化し、効率的な運用をサポートするフレームワークとして機能します。これにより、セキュリティインシデント対応だけでなく、日常的なIT運用の効率化とリスク低減にも寄与します。

ICS/SCADAシステムのセキュリティは複雑で、断片的なアプローチが採られていることが多いのが現状です。多くの組織はSSHやTLSによる暗号化やセキュリティ分析などを採用していますが、まだ十分に統合された対策とは言えません。今後、暗号化の導入を計画している組織が増加傾向にあり、特権ID管理 (PIM) と並んで注目されています。さらに、OTシステムに対する脅威が高度化しており、サイバー犯罪者や国家的な攻撃に対する懸念が大きくなっています。顧客向けシステムの重要性が増す中で、これらのセキュリティ対策は今後も強化される必要があります。