データコンサルタント・データアナリスト視点でのクラウド連携によるデータ活用とナレッジデータの課題
データコンサルタントとして、Oracle Cloud Infrastructure (OCI) と Google Cloud の連携がもたらす新たなデータ活用機会に注目しています。Google Cloud と Oracle の専門家が、この連携によるデータアーキテクチャの可能性と具体的なデータ活用方法について解説します。
Google CloudとOracle連携によるデータ戦略の深化
Google Cloud セッションでは、Google Cloud がOracle 社とのパートナーシップを通じて、Oracle Database と Google Cloud 間でのデータ連携をどのように強化したかが焦点となります。生成AIのビジネスにおけるデータ活用が加速する中、Google Cloud は顧客が保有する多様なデータを活用するための生成AIを含む幅広いデータソリューションを提供しています。オンプレミス環境からのクラウド移行やハイブリッド構成を検討する組織にとって、なぜ Google Cloud がデータ活用の観点から選ばれるのか、そのデータに基づいた理由が明らかにされるでしょう。
Oracle Cloud Infrastructureによる基幹データ基盤とマルチクラウド対応
日本オラクル株式会社の近藤暁太氏からは、OCI が企業の基幹システムをクラウドで安定稼働させるために設計された、マルチクラウド対応のクラウド基盤であることが説明されます。高性能な OCI 上の Oracle Database は、組織が必要とするあらゆる場所で、そして様々なクラウド環境で利用可能なデータストアです。この度、OCI 上の Oracle Database を Google Cloud 環境内で稼働させる「Oracle Database@Google Cloud」が実現しました。このセッションでは、OCI 上の Oracle Database の特徴、そしてこの連携による Google Cloud 内での Oracle Database の構成、特定のユースケースにおけるデータ活用の利点、そしてオンプレミス環境からの既存データ移行方法など、技術的な側面に焦点を当てたデータ戦略に関する情報が提供されます。
労働力変動と貴重な「ナレッジデータ」の損失
一方、少子高齢化に伴う日本の労働力人口の減少は、データコンサルタントとして見過ごせない重要な「人間データ」に関する課題を提起しています。特に64歳以下の労働力人口の減少は懸念されており、これは豊富な知見や経験といった暗黙知として蓄積された貴重な「ナレッジデータ」を持つ人材の退職を意味します。これにより、企業内の貴重なナレッジデータが失われつつあり、製品やサービスの品質や価値の低下リスクが高まっています。
この課題に対応するためには、ベテラン人材の暗黙知を形式知という構造化されたデータへと変換し、組織全体で共有するための効果的なナレッジ管理システムの構築が求められています。これは、単なるドキュメント管理ではなく、経験に基づいた判断基準、トラブルシューティングのノウハウ、顧客対応のベストプラクティスといった、通常は明文化されにくいデータをどのように収集、整理、そして分析可能な形で保存・共有するかが鍵となります。
しかしながら、多くの日本企業では、文化的背景や組織構造の要因から、このような貴重なナレッジデータの効果的な管理と活用が十分に行われていません。データコンサルタントとしては、これらのナレッジを組織の重要なデータ資産と位置づけ、その収集、構造化、そしてアクセス・共有を促進するためのデータ管理戦略と技術的なソリューションの導入を支援していく必要があります。上記のクラウド連携は、このようなナレッジデータを集約し、AIなどを活用して分析・共有するための基盤としても活用できる可能性を秘めています。
データコンサルタント・データアナリスト視点でのITモダナイゼーションとデータ戦略
基幹業務を支えるソフトウェア資産のモダナイゼーションにおいて、マイクロサービスアーキテクチャの採用は、データ活用の柔軟性と効率性を高める有力なデータ設計上の選択肢として注目されています。マイクロサービスアーキテクチャのメリットは、新機能の迅速なデータ連携や機能変更の容易性、新しいデータ処理技術採用の柔軟性、そしてシステム障害や影響範囲のデータに基づいた局所化などが挙げられます。
また、マイクロサービスをコンテナによって配備することは、ハードウェアリソースの有効活用というコストデータ効率化だけでなく、処理するデータ量の増減に合わせてコンピューティングリソースを容易にスケーリングできるというデータ処理能力の柔軟性をもたらします。コンテナ技術としてはDockerが、コンテナのオーケストレーションツールとしてはKubernetesがオープンソースソフトウェアとして普及しており、これらの技術はスケーラブルなデータ処理基盤構築において重要な役割を果たしています。Dockerコンテナの本番環境および開発・テスト環境での利用は年々増加しており、IDCが2019年4月に実施したユーザー調査データでは25%を超えました。さらに、Dockerコンテナを利用する組織のうち、Kubernetesをオーケストレーションツールとして採用している割合は45%強、KubernetesベースのRed Hat OpenShiftを含めると65%を超えており、データ処理基盤管理におけるデファクトスタンダードツールとなっています(『2019年国内クラウドインフラストラクチャソフトウェア市場 ユーザー動向調査 (IDC #JPJ44003819、2019年6月発行)』の分析データより)。
DX推進における「コアデータ」の定義とITインフラ選択
パブリッククラウドサービスの採用・活用や、プライベートクラウドを含むオンプレミスITインフラの再構築を検討する際、データコンサルタントとして最も重要だと考えるのは、DX推進の核となるデータは何なのか、そして基幹業務アプリケーションを含むソフトウェア資産のうち、どの部分でデータを内製管理していくのか、といったデータに関する明確な指針を持つことです。これらのデータ戦略に基づいた指針なくして、SaaS、PaaS、CaaS(Container as a Service)、IaaSなどのパブリッククラウドサービスや、オンプレミスで配備すべきITインフラの最適な組み合わせ(ベストミックス)は決定できません。
さらに、データ戦略に基づいた明確な指針がない場合、IT投資対効果をデータに基づいて客観的に評価することが困難になり、ITインフラ刷新のための予算を確保できない可能性が高まります。結果的に、経済性、迅速性、柔軟性に欠け、運用負荷の高い、つまりデータ処理や管理の効率が悪いITインフラを抱え込むことになります。データ活用の視点から見ると、これは必要なデータに迅速にアクセスできなかったり、新しいデータソースを容易に取り込めなかったり、あるいはデータ処理コストが高騰したりといった問題につながり、組織のDX推進を阻害する要因となります。
効果的なITインフラの選択と構築は、組織のデータ戦略と密接に連携している必要があります。どのデータをどこに配置し、どのように処理・分析するのか、といったデータフローと活用方法を明確に定義することが、最適なクラウドサービスやオンプレミス環境の組み合わせを決定する上で不可欠なプロセスです。
データコンサルタント・データアナリスト視点でのクラウドセキュリティ運用とデータ活用の進化
データコンサルタントとして、AWS WAFのようなセキュリティツールの運用におけるデータ管理の課題は重要な考慮事項です。AWS WAFの設定やルール調整には、攻撃パターンやトラフィックデータの分析に基づいた継続的なチューニングが必要であり、これが運用負荷を高める要因となります。試行錯誤しながらの運用は、本来注力すべきデータ分析や戦略立案といった業務からリソースを奪い、効率を低下させます。AWS WAFを導入したものの、日々のデータ監視やルール更新といった運用が後回しになってしまうケースも見られます。
これらの課題を放置すると、適切なセキュリティデータに基づいた対策が実施できず、攻撃リスクが高まるだけでなく、エンジニアのデータ分析や管理に関わる負担が増加し、組織全体の業務効率低下につながる可能性があります。
そこで、AWS WAF運用におけるデータに基づいた共通の課題を整理し、月間30時間もの運用工数削減を実現したというAWS WAF自動運用サービス「WafCharm」のようなソリューションが注目されます。これは、WAFが発生させる大量のログデータや、検知ルールに関する複雑な設定データを効率的に管理・自動化することで、運用負荷を軽減するアプローチと言えます。
AWSのアカウントを調達する際も、単なる価格データだけでなく、アカウント管理におけるサポート体制が重要になります。不要な権限の付与(これはアクセス制御データにおけるリスクです)や、不適切なパスワードポリシーのまま運用されている状況は、データへの不正アクセスや情報漏洩といった重大なインシデントに直結しかねません。情報セキュリティとデータガバナンスを確保しながらAWS運用を実現する方法論の確立が不可欠です。
IT部門の意思決定者の38%がすべてのアプリケーションとインフラのクラウドへの移行を検討しているというデータや、組織の88%がパブリッククラウドインフラストラクチャサービスを現在利用しているという統計データは、企業が保有するデータの大部分がクラウドへとシフトしている現状を示しています。
組織だけでなく、世界全体が未曽有の大きな変化に直面しています。世界的なパンデミックのような事象は、企業が新たなレベルの柔軟性、信頼性、および事業継続性を達成するために、テクノロジー、そして特にデータへの依存度を一層高める必要性を浮き彫りにしました。多くの企業が、データからより多くの価値を引き出し、データ分析に基づくオートメーションによる効率を得るために、クラウド上でのオペレーションとインフラの改革に注力しています。同時に、ビジネスレジリエンス向上のため、データに基づいたセキュリティ戦略の強化が喫緊の課題となっています。
これらすべては、組織内の各部門が未来の変化に備える上での基盤を提供する、強固なクラウドとデータ戦略へと収斂されます。イノベーションのスピード、数々のセキュリティ上の脅威、そしてデータ分析に関連する課題が増大する中、変化するニーズにうまく対応するには、企業は老朽化しカスタマイズされすぎたテクノロジーシステム、特にデータ処理や連携に制約のあるシステムに起因して後れを取るわけにはいきません。どの企業も、この変化の時代に適応するだけでなく、データ活用の視点からビジネスを変革する必要があります。そのため、ビジネスのアジリティを促進するためにクラウドとデータをどのように効果的に利用できるかに、ますます注目が集まっています。
データコンサルタント・データアナリスト視点での重要システムクラウド移行とデータ要件の複雑化
データコンサルタントとして、重要システムのクラウド移行を検討する際に優先的に考慮すべき5つのデータ関連ポイントがあります。「重要情報を扱うシステムの要求策定ガイド」からも示唆されるように、システムの「自律性」と「利便性」を両立させるためには、データ要件の明確化と、それを支えるデータ基盤の設計が不可欠です。
システムの安定稼働を支えるデータ要件の複雑化
ITシステムは現代社会の基盤であり、電気や水道のような存在です。システム停止や情報漏洩といったインシデントは、システム管理者だけでなく、データを利用する取引先や一般消費者にも甚大な影響を及ぼします。産業や暮らしを守るためには、システムの安定稼働、そしてデータやサービスの安定供給がこれまで以上に求められています。これを実現するためには、管理者は近年複雑化しているITシステム要件、特にデータに関する要件に対応する必要があります。要件が複雑化した背景には、主に以下の3つのデータ関連ポイントが挙げられます。
地政学的リスクの増大とデータ所在の重要性:
近年の社会経済構造の変化や国際情勢の複雑化に伴い、地政学的リスクや経済安全保障リスクへの対応の重要性が増しています。データコンサルタントの視点では、これはシステムで取り扱うデータの所在(データ所在地)をどこにするか、という点が極めて重要になったことを意味します。特定の国の影響を受けない安定したインフラ基盤の選定は、データの主権と可用性を確保するために重視すべきデータ戦略上の判断です。
技術環境の変化とデータ活用のためのクラウド移行:
これまでオンプレミス環境で運用されてきた基幹システムも、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進やAIといった最新技術によるデータ活用を目的として、クラウドへの移行が進んでいます。クラウドのメリットは、システム構成の柔軟性向上、運用負荷軽減、そして最新技術(特にデータ分析やAI関連サービス)の利用しやすさが挙げられます。
一方で、管理者の視点から見ると、クラウド環境ではシステム内部のデータ処理状況や構成がブラックボックス化し、システム運用状況を詳細に把握することが困難になるというデメリットも存在します。これは、データコンサルタントがデータ可視性と運用の透明性のバランスを考慮した監視・ロギング戦略を設計する必要があることを示唆しています。
例えば、不要な権限が付与されていたり、不適切なパスワードポリシーのまま運用がなされていたりといった、アカウント管理データに関する問題は、データへの不正アクセスや重大なセキュリティインシデントに直結しかねません。AWSアカウントを調達するにあたっては、単なる価格データだけでなく、アカウント管理におけるデータセキュリティに関する必要なサポートが受けられるかどうかも重要なポイントになります。情報セキュリティとデータガバナンスを確保しながらAWS運用を実現する方法論の確立が不可欠です。
近年、AWS、Azure、Google Cloudなどのクラウドサービス利用が急速に拡大し、それに伴いクラウド上のデータ量も増加しています。しかし、クラウドセキュリティは高度な専門知識を必要とする領域であり、多くの企業がセキュリティエンジニアやSREといった、クラウドセキュリティデータの分析・管理に長けた人材の採用・育成に苦慮しています。AWS環境におけるセキュリティ強化の実践例を、リアルな声とともに共有することは、インフラ・情報セキュリティの担当者にとって、データに基づいた実践的な知見を得る上で非常に価値があります。
データコンサルタント・データアナリスト視点でのデータベースにおけるAI活用とクラウドネイティブデータ戦略
データコンサルタントの視点から見ると、Database内にAIベクトル検索機能が組み込まれたことは、ドキュメント、画像、およびその他の非構造化ファイルに含まれるセマンティック情報(意味情報)を、ベクトル、すなわちテキストの数値表現として直接データベース内に保存・管理できる画期的な機能強化です。これにより、構造化されたビジネスデータと非構造化のセマンティックデータを単一のデータ基盤上で統合的に扱えるようになります。Oracle Database開発ツール(APEXを含む)に生成AI機能を連携させることで、大規模言語モデル(LLM)が密接に関連する用語や概念をデータ内で迅速に検出できるようになり、データ専門家は複雑なコーディングなしに、これらのデータを活用したアプリケーションやクエリを容易に作成できるようになります。特にOracle Database 23cのAI Vector Searchは、ビジネスデータとセマンティックデータを組み合わせて検索を実行することを可能にし、組織が効果的にAIソリューションを導入するために必要となるデータ統合の課題を軽減します。
データサイエンティストにとってのデータ活用環境についても、Oracle Cloudは専門家が自身の慣れ親しんだオープンソースフレームワークを使用して機械学習モデルを共同で構築、管理、およびデプロイできるデータプラットフォームを提供することで支援しています。多くの一般的なAIフレームワーク、ソフトウェア、および管理ツールは、NVIDIAのNGCポータルを通じてオープンソースデータとして利用可能です。これらのオープンソースコレクションのエンタープライズ版であるNVIDIA AI Enterpriseは、エンタープライズレベルのサポートを提供しており、Oracle Cloud Marketplaceから入手可能です。これは、データサイエンティストが必要とする計算リソースとソフトウェアスタックをクラウド上で迅速にプロビジョニングし、データに基づいたモデル開発を加速するための環境を提供します。
クラウド移行の段階とデータアーキテクチャの進化
クラウドは組織のデータ活用の変革を実現するために不可欠な基盤ですが、その導入プロセスはデータアーキテクチャの複雑さを増す要因でもあります。データコンサルタントの視点から、クラウド移行は通常いくつかの段階を経て進行すると捉えられます。
第1段階:保持と最適化
この段階では、既存の緊密に結合したアプリケーションと関連データはそのまま維持されるか、最小限の最適化が行われます。導入開発サイクルは長期化しやすく、データ管理や連携の柔軟性には限りがあります。
第2段階:リフトアンドシフト
主にクラウドIaaS(Infrastructure as a Service)が使用され、既存のアプリケーションとデータが比較的変更なくクラウド環境に移行されます。この段階では、データ基盤のアーキテクチャ自体に大きな変化はなく、クラウドのインフラメリット(スケーラビリティなど)の活用が中心となります。
第3段階:リファクタリング
アプリケーションはモジュール化が進みますが、データコンポーネント間の相互依存性は依然として残ります。データ管理や連携の効率化が部分的に図られますが、データアーキテクチャの根本的な見直しには至りません。
第4段階:リアーキテクト
アプリケーションは疎結合されたマイクロサービスとサーバーレス機能へと再設計されます。これはデータアーキテクチャにも大きな変化をもたらし、データが各サービスに分散配置される「疎結合データアーキテクチャ」の検討が必要となります。
クラウドネイティブなマイクロサービスとコンテナによるデータ処理の進化
クラウドでのアプリケーション開発は、マイクロサービスとコンテナを使用した開発フレームワークによって、過去数年間でデータ処理能力と柔軟性が大幅に向上しました。オープンソースのソフトウェアの普及により、これらのソフトウェア開発技法が進化し、データコンサルタントは高度な機能を利用して、変化し続けるビジネスニーズに、データの発生源に近い場所で、容易かつコスト効率に優れた方法で対応できるようになりました。
マイクロサービスは、アプリケーションを疎結合されたサービス一式に整理するように設計されており、それぞれが独立したデータストアを持つこともあります。マイクロサービスが階層化されている場合、それらは特定のビジネス機能をデータ処理を通じてサポートまたは実行します。開発者とアプリケーションアーキテクトにとって重要な利点は、他のサービスやデータに影響を与えることなく、個々のマイクロサービス(およびそれに関連するデータ処理ロジック)を変更、更新、およびスケールアウトできることです。その結果、マイクロサービスによってリソースの制約が最小限に抑えられ、データ処理コストの最適化が向上します。しかし、これは同時に、分散したデータの一貫性や統合管理といった新たなデータ管理上の課題も生み出します。
データコンサルタント・データアナリスト視点でのクラウド移行に伴う職責の変化とデータ管理
データコンサルタントとして、クラウドへの移行は組織のデータ戦略とそれに伴うIT部門の職責に大きな変革をもたらすと捉えています。最高情報責任者(CIO)の中には、ハードウェア管理といった従来の役割が縮小することへの懸念を持つ声も聞かれますが、データ戦略という観点から見れば、これはむしろ役割の進化と捉えるべきです。クラウド移行は、企業戦略と技術、特にデータ技術の整合性を図るというCIOの役割の重要性を浮き彫りにします。多くの組織が、ビジネスにデータに基づいたメリットをもたらす新しい技術(クラウド上のデータ分析やAIサービスなど)の採用を推進する点でCIOに依存しているのはそのためです。
しかし、クラウドへの移行により、CIOの役割もデータ活用の側面から変化していく必要があります。企業のクラウドコンピューティングソリューションを推進することは、システムの物理的なインストールやメンテナンスといった直接的な課題から、データサービスベンダーの管理という側面が強くなります。クラウドファーストの組織におけるCIOの役割は、どのSaaSアプリケーションが組織のデータ活用に最大のメリットをもたらすかの優先順位決定、ビジネスデータの価値最大化、そして管理外のデータ利用(シャドーIT、しばしばデータセキュリティリスクを伴う)の管理などが中心になっていくと考えられます。
また、クラウドを活用してデータ処理の効率と収益性を高めることは、CIOが企業内のデータに基づいたイノベーションの先駆者としての度合いを強める機会ともなります。この発展の一環として、技術的なデータに関する知見とビジネス戦略におけるデータ活用の見識の両方を確実に包含できるよう、CIOは自身の役割に対するアプローチ方法をデータ中心に見直す必要があるかもしれません。そして次に、クラウドへの投資、特にデータ関連サービスへの投資を最大限に活用するために、企業内の他の部門とデータ共有や活用に関してどのように連携していくかを決定します。
場合によっては、クラウドによって組織内の特定のIT役割、特にデータセンターの物理的な管理や一部のオンプレミスデータ基盤の運用に関わる役割の必要性を減らせる可能性があります。そのような場合、該当するIT担当者をデータ分析、クラウドデータ基盤の管理、セキュリティデータ監視といった、より戦略的なデータ関連業務や新しい業務に再配置できます。新しい役割と職責により、組織にデータに基づいた付加価値をもたらし、イノベーションを実現できます。たとえば、ネットワーク管理者がネットワークトラフィックデータ分析に重点を移し、顧客行動データから顧客をより深く理解し、データに基づいたより良いサービスを提供するための新しい方法を見つけられるかもしれません。
可用性とサービスレベル契約におけるデータ保証
CIOは、常に利用可能でなければならないビジネスクリティカルなサービス、特に重要なデータサービスを社外のクラウドプロバイダに依存することについて懸念を抱くことがあります。自社のシステムとデータの可用性をコントロールできる方が安心だと考える傾向があるためです。しかし、オンプレミス環境で障害が発生した場合、CIOは問題のデータトリアージと修正を社内で行う必要があり、スタッフのデータ復旧やトラブルシューティングに関わる負担が大きくなる場合があります。
クラウドに移行した場合、多くの場合データは地理的に独立した複数のデータセンターに冗長的に保存されます。これにより、クラウドプロバイダは一般的に高いレベルのデータの可用性、多くの場合99.9%以上の可用性を保証しています。しかも、これは単なる口約束ではありません。クラウドプロバイダは通常、書面によるサービスレベル契約(SLA)を提供し、クラウドインフラにどのような障害が発生しても、ビジネスシステムとその利用するデータが継続して実行されるように最大限努力することを保証しています。また、ベンダーはしばしばSLAで約束されたデータ可用性を上回る実績データを示すこともあります。
災害復旧とデータの冗長性
クラウドデータプロバイダは、データの自動バックアップと地理的に分散された冗長性を提供します。これにより、予期しない問題や自然災害が発生した場合でも、組織が継続的に業務やサービスを提供するために必要なデータにアクセスできる可能性が大幅に高まります。オンプレミス環境のほうがデータは安全だと考える向きもありますが、ほとんどのオンプレミスシステムは、高可用性のために2台の物理サーバーを使用し、相互にフェイルオーバーするように構成されているのが一般的です。つまり、ハードウェアやソフトウェアの障害、自然災害、火災、物理的な侵入などが発生した場合に、単一障害点による壊滅的なデータ損失リスクが存在するということです。一方、クラウドのデータ冗長性設計は、このような単一障害点のリスクを複数のデータセンターやアベイラビリティゾーンに分散することで低減し、より堅牢なデータ保護を提供します。
データコンサルタント・データアナリスト視点でのサプライチェーン変革とデータ活用
需要と供給が予想以上に急増し変動する現在の状況下、世界中の企業はどのようなデータを利用し、意思決定の模範を再構築すべきかという課題に直面しています。パンデミックや地政学的な出来事などの外的要因により、サプライチェーン管理を新たなレベルのデータ活用へとアップグレードする必要性が高まっています。デジタルトランスフォーメーションが今後も加速し続けると考えられるため、データから最大限の価値を引き出し、イノベーションを促進するためのスマートかつデータドリブンな意思決定を行い、変化に取り残されないことが不可欠です。
Amazonのような世界でもトップレベルに複雑なサプライチェーンを運営する企業は、Amazon Web Services (AWS) の業界をリードするグローバルなデータインフラストラクチャのメリットを享受し、収集・蓄積されたデータとAIを活用してサプライチェーンオペレーションを変革しています。
出荷の混乱、出荷漏れ、製造の遅れ、さらには自然災害といった事象が、商品や製品のオンタイム輸送に与える影響を考えてみてください。データに基づいた変革を経てほぼ自律的になったサプライチェーンでは、適切なデータパイプラインが構築されていれば、データ管理やサプライチェーンに関する意思決定プロセスの煩雑さから解放され、すぐに活用できる実用的なデータインサイトが手に入ります。例えば、輸送ルートデータや代替輸送オプションの可視化データがあれば、製品の動きやボトルネックをより良く把握し、例外的な事象をデータに基づいて容易に予測して対応し、配送ルートを迅速に迂回させることができます。これにより、事象の影響を大きく受けずにオンタイムでの納品を実現することが可能になります。
データによるサプライチェーンの最適化
クラウドベースのデータツールとサービスは、一元化されたデータ基盤の上に構築されます。これにより、サプライチェーン全体における真のエンドツーエンドのデータ可視性、データに基づいたオートメーション、高度なデータ分析、そしてAIや機械学習といったデータ駆動型のイノベーションが円滑に進み、適切な意思決定を強力に支援します。サプライチェーン全体でデータ主導のインサイトを活用することで、過去の販売データや市場データに基づいたより正確な需要予測、インテリジェントな購買判断、OTIF(On-Time In-Full:定時・定量の納品)遵守率の向上、倉庫管理におけるデータに基づいた改善、そしてサプライチェーン全体の回復力強化を実現できます。
また、クラウド環境はオンプレミスリソースに比べ、AIや機械学習モデルによるデータ利用効率がはるかに優れています。サプライチェーンチームは、クラウドのスケーラブルなデータ処理能力を活用し、大量の構造化データや非構造化データを取り込んで分析し、機械学習モデルを作成して、需要予測や在庫管理をデータに基づいて改善できるほか、繰り返しの多い時間のかかるデータ関連作業を自動化できます。
AWS Supply Chainによるエンドツーエンドのデータ可視性実現
サプライチェーンは、原材料の調達から最終顧客への配送に至るまで、様々な人や活動から発生するデータと密接に結びついています。これらの統合データを迅速かつリアルタイムに近い形で利用できることは、最適なサプライチェーン管理にとって極めて重要です。Amazonの30年近くに及ぶサプライチェーン運営の経験から得られたデータに基づいて構築されたAWS Supply Chainのようなサービスは、様々なデータソースからの統合データ、機械学習を活用した実用的なデータインサイト、そしてコンテキストに基づいたデータ共有・連携機能を提供することで、サプライチェーン全体のリスクをデータに基づいて軽減し、コストを削減します。
データコンサルタント・データアナリスト視点でのMicrosoft Cloud活用停滞とデータ運用の最適化
データコンサルタントとして観測している状況として、多くの企業でデジタルトランスフォーメーション(DX)推進や業務効率化を目的としたMicrosoft 365 / Microsoft Azureの導入が進み、これらのプラットフォーム上に蓄積されるデータ量は増加しています。クラウド活用の必要性が高まり、セキュリティ強化やリモートワーク対応といったデータ保護・データアクセスに関する観点からも、Microsoftのクラウド基盤を導入する企業は増加傾向にあります。
しかしながら、導入後にこれらのプラットフォームの機能、特にデータ共有、データ分析、データに基づいたコラボレーションといった業務活用が停滞しているという課題を抱える企業が少なくありません。Microsoft 365 / Microsoft Azureには新しい機能やサービスが次々と追加されますが、それらを適切にデータ運用や業務フローに組み込み、活用できる環境を整えることが企業にとっての大きな課題となっています。ライセンスは保有しているものの、ベンダーからのデータ活用に関する具体的な支援が不足していたり、プラットフォームの技術変化への対応が追いつかず、導入によって期待されたデータに基づいた業務改善効果が得られないケースが増えています。
「問い合わせてもデータ活用の方法やベストプラクティスを教えてくれない」、「運用におけるデータ管理や最適化を支援してくれない」、「利用状況データに基づいた改善提案がないまま運用が停滞している企業も少なくありません。さらに、Microsoft 365 / Microsoft Azureは日々進化を続けており、最新の機能(例えば新しいデータ分析ツールやセキュリティ機能)やセキュリティ対策を適切に活用するためには、プラットフォームが生成・管理するデータを理解し、専門的な知識を持つ支援パートナーの存在が不可欠です。技術変化に対応し、Microsoft 365 / Microsoft Azureが持つデータ活用の可能性を最大限に引き出すための適切なサポートが求められています。
アワード受賞パートナーによる迅速なデータ運用支援とCopilot活用術
Microsoft認定パートナーであり、複数回のアワード受賞実績を持つティーケーネットサービスは、Microsoft 365 / Microsoft Azureの導入・運用におけるデータ活用の課題解決に焦点を当てた実践的なノウハウを提供します。他社と異なり、Microsoft製品に特化し、プラットフォームが生成・管理するデータを深く理解した手厚くスピーディな対応が強みです。
セミナーなどでは、AIアシスタントであるCopilotを活用した業務効率化の実践方法についても紹介されます。Copilotは、Microsoft 365環境内の様々なデータ(ドキュメント、メール、チャットなど)を横断的に理解し、ユーザーの指示に基づいて新しいコンテンツの作成、データの要約、アイデア出しといったデータ操作・データ活用を支援するツールです。これは、日常業務におけるデータとのインタラクションを変革し、データに基づいた意思決定や業務遂行を加速させる可能性を秘めています。
さらに、実際の導入事例を交えながら、Microsoft 365 / Microsoft Azureの効果的なデータ基盤としての展開について、ベストプラクティスが解説されます。これらの事例データは、他の企業がどのようにプラットフォームをデータ活用視点で構築し、どのようなデータに基づいた成果を上げているのかを理解する上で非常に参考になります。
Microsoft 365 / Microsoft Azureの運用をデータ活用の視点から加速し、業務効率を最大化するための具体的な方法を知りたい企業にとって、これらの情報は必見の内容となるでしょう。プラットフォームの導入だけでなく、その上に蓄積されるデータをいかにビジネス価値に繋げるか、という点が今後の成功の鍵となります。
データコンサルタント・データアナリスト視点でのクラウド移行とデータ活用の潮流
データコンサルタントとして観測しているトレンドとして、クラウド利用がITインフラの標準となる中で、これまでオンプレミス環境で運用されていたシステム群のクラウドへのデータ移行が進んでいます。クラウドの普及率の上昇に伴い、オンプレミスからの移行が加速していますが、変動コスト、サポート体制、そしてセキュリティといった様々な側面から、グローバルなクラウドサービスではなく、国産のクラウドサービスがデータ主権やコンプライアンスの観点から望まれるケースも多く存在します。また、移行元でVMwareといった特定の仮想化技術を利用している場合、移行先のクラウド環境選定において技術的なデータ互換性や移行プロセスに関するデータが必要となり、検討が難航するケースも見受けられます。
国産クラウドサービスのデータ特性と選定基準
数多くのクラウドサービスが存在する中で、それぞれのソリューション特性、特にデータ管理や処理に関する特性に合うサービスを選択するのは容易ではありません。国産のクラウドサービスはしばしばグローバルなサービスと比較されますが、実際には国産サービスならではの独自のデータ管理ポリシーや機能、そしてサポート体制に関するデータが存在します。その中でも、各サービスにおいてサポートの範囲や料金体系といった契約に関するデータに違いがあります。最適な国産クラウドサービスを選ぶ際には、取り扱うデータの種類、量、機密性、そして必要なデータ処理能力や可用性といった様々な要素を考慮した、データに基づいた複合的な視点が必要です。
国産クラウドの選び方を、定額制かつVMware環境からのデータ移行にも最適なNTT東日本の地域エッジクラウドを例に解説します。国産クラウドサービスを選定する際のポイントとして、地域特性に基づいたデータ配置の優位性、価格モデルに関するデータ分析、そして運用体制といった評価基準について、VMware環境からのデータ移行における考慮事項とともに解説が行われます。中でも重要となるのが、クラウド基盤の構築と運用サポートの一体化がもたらすメリットです。これは、基盤に関するデータと運用に関するデータが一元的に管理されることで、トラブルシューティングの迅速化や運用効率の向上に繋がります。
電話業務のクラウド化とコミュニケーションデータの活用
近年、企業における電話業務においてもクラウド活用、すなわちクラウド電話システムの導入が進んでいます。テレワークやシェアオフィスの活用が広がる中で、オフィスに固定回線を設置するデータ通信上のメリットが少なくなりつつあります。また、クラウド電話システムでは、従来の電話機能に加えて、通話データの録音・テキスト化、通話履歴の分析、他のビジネスシステムとのデータ連携といった付加機能が利用可能なため、様々な目的から普及が進んでいます。
しかし、電話システムへのクラウド活用について、実際にどのような機能があるのか、導入プロセスに関するデータが不足していると感じている企業担当者も少なくありません。ワークスタイルの変化への対応や、受電業務における非効率なデータ処理の負担軽減に悩む企業は多く存在します。
テレワークと出社を組み合わせたハイブリッドワークなど多様なワークスタイルが広がる中で、クラウド電話システムを活用して社員が場所を問わずに電話対応可能にし、電話業務データの分散化と負担軽減を実現したい、AIを活用することで既存の受電業務プロセスから発生するデータを効率的に処理し、社員がより付加価値の高いデータ分析や顧客対応といった業務に専念できる環境を作りたい、といった企業によって様々なデータ活用の課題があります。そのため、それぞれの企業は自社のビジネスモデルやデータ特性に適したクラウド環境の整備、そして新しい技術を取り入れたデータに基づいた業務変革が必要となっています。クラウド電話システムは、単なる通話ツールではなく、貴重なコミュニケーションデータを収集・分析し、業務効率化や顧客理解促進に繋げるためのデータ基盤として捉えるべきです。