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アプリケーション(2)

アプリケーションとデータの移行:

このシステムは、データのみの移行をサポートしていますか、それともアプリケーションも含めて移行できますか?ダウンタイムはどの程度発生しますか?それは初期段階での予測可能かつ短時間なものですか?また、多層アプリケーションを移行する際に、オーケストレーションされたシャットダウンと再起動、システムの移行手順をどのようにサポートしていますか?

データ移行とアプリケーション移行の考慮事項:
アプリケーションが完全に移行されるか、部分的なデータ移行のみか、ニーズに応じて確認が必要です。
ダウンタイムは、事前に測定可能であり、できる限り短縮されることが重要です。サービスレベル契約 (SLA) でのダウンタイム保証の確認が必要です。
多層アプリケーションの場合、各レイヤーの依存関係を考慮し、段階的に移行を進めるためのオーケストレーションが必要です。
モニタリング:

移行プロセスをリアルタイムで追跡するために、どのようなツールやダッシュボードが提供されますか?進行状況、エラー、パフォーマンスのボトルネックを可視化できるモニタリングツールは必須です。

移行中に考慮すべき点:
移行プロセスを可視化し、進行状況をリアルタイムで確認できるツールの使用が推奨されます。
エラーログや警告を即時に受け取ることで、迅速なトラブルシューティングが可能となります。
カスタマイズ:

移行後、ターゲットクラウド環境にアプリケーションを自動適応させるためのカスタマイズオプションはどのようなものがありますか?DNS設定やネットワーク構成が自動的に維持されるかどうかも確認が必要です。

自動化とカスタマイズの重要性:
クラウド特有の設定(DNS、ネットワーク、セキュリティポリシー)への自動適応は、移行後の運用コストを削減します。
自動化されたプロセスが多いほど、ヒューマンエラーのリスクも低減されます。
カットオーバー:

データの移行が完了し、クラウドのみでの運用準備が整った場合、次のステップは何でしょうか?移行元または移行先でアプリケーションをシャットダウンする必要はありますか?また、ダウンタイムは発生しますか?完了後、移行エージェントをアンインストールする必要はありますか?データが完全に同期しないリスクはありますか?その場合、目標復旧時点 (RPO) はどれくらいですか?

カットオーバーの戦略:
カットオーバー手順は事前に明確化し、アプリケーションの停止や再開が必要なタイミングを把握する必要があります。
RPO(目標復旧時点)やデータ整合性の確認が重要です。可能な限り同期エラーを防ぎ、業務停止のリスクを最小化します。
ロールバック:

移行後、必要に応じてアプリケーションやデータをオンプレミスに戻すことは可能ですか?ロールバックにどのくらいの時間がかかり、クラウドからのデータはすべて保持されますか?

ロールバック計画の重要性:
移行失敗時や予期せぬ事態に備え、オンプレミスへの迅速なロールバックプロセスを設計します。
クラウド上のデータが完全に保持されることを保証するためのプロセスが必要です。
テスト:

クラウド移行前に、アプリケーションのパフォーマンスを評価するためのテストを行っていますか?テスト環境を活用することで、移行後のリスクを低減し、パフォーマンスの最適化を図ることができます。クラウドで稼働中のシステムを模擬し、実際のデータに影響を与えずにテストを行うことが可能です。

テストとパフォーマンス確認の重要性:
移行前にクラウド上でアプリケーションをテストし、パフォーマンスやセキュリティ要件を確認します。
クラウドプロバイダが提供するマネージドサービス(例:DBaaS、DNS、バックアップサービスなど)を最適に活用できるかどうか、移行前に検証します。

戦略の選択と実行:

移行戦略には複数のアプローチがあり、それぞれを異なる移行フェーズで活用することが可能です。しかし、効率的かつ迅速な移行プロセスを実現するためには、まずアプリケーションをパブリッククラウドへ移行することが推奨されます。これは、パフォーマンスの評価や最適化のための余地を提供します。例えば、インスタンスのサイズ調整や、オンプレミスの機能をクラウド中心に変更する(例:SQLからCloud SQLへの変換)など、簡易な最適化が可能です。

データ移行の重要性:

通常、アプリケーションを移行する際には、アプリケーションに関連するすべてのデータも同時に移行する必要があります。以下の要素を考慮してください:

データのボリューム: 各アプリケーションに関連するデータの量。
データの保存場所: データが現在どこに保存されているか(オンプレミス、クラウドなど)。
データ更新の頻度: データの更新頻度によって、移行のタイミングや方法が変わる可能性があります。
災害復旧のクラウド活用:

クラウド移行を考える際に、既存の災害復旧(DR)ソリューションをクラウドに適用したいと思うことがありますが、クラウド移行には異なるユースケースが存在します。稼働中のアプリケーションを移行する際は、カットオーバー中にアプリケーションデータが確実に同期されるソリューションが必要です。特化したツールを選定し、移行プロセス中のデータの一貫性を維持しましょう。

移行ツールの選定:

すべての移行ツールには、ワークロードを安全にパブリッククラウドに移行するという共通の目標がありますが、機能やアーキテクチャの違いに注意が必要です。ツール選定の際には、次の質問に対する回答を用意することで、自社の要件に最適な移行ツールを選びましょう。

エージェントの必要性:

多くの移行ツールでは、エージェントのインストールが必要です。これはアプリケーションやクラウドターゲットに対して個別に行われます。選定するクラウドサービスでもエージェントの導入が必要ですか?また、各アプリケーションにアクセスする必要がありますか?
考慮事項: 移行アプリケーションが多数存在する場合、エージェントのインストールと管理は負担となる可能性があります。エージェント不要のソリューションが適している場合もあります。

移行前テスト:

そのソリューションでは、本番環境を停止することなく移行前にアプリケーションをテストできますか?事前にデータセットをクラウドに転送する必要がありますか?移行中にクラウドインスタンスの設定を変更しながら異なる構成をテストすることは可能ですか?
考慮事項: テストの自動化や、リソース消費を抑えた検証プロセスを組み込んだツールは、ダウンタイムのリスクを最小限に抑えられます。

サイズ適正化:

パフォーマンスやコストに基づいて、オンプレミスのインスタンスをクラウドインスタンスに最適にマッピングする推奨事項は提供されますか?
考慮事項: 分析に基づいた適正化が可能なツールを使用することで、移行後のリソースの無駄を防ぎ、コスト効率の高い運用が可能です。
推奨事項のまとめ:
最初にアプリケーションをパブリッククラウドに移行することで、パフォーマンス評価や最適化が容易になります。
データの移行にはデータ量、保存場所、更新頻度を考慮し、同期を確保するソリューションを選択しましょう。
移行ツールの選定では、エージェントの必要性、移行前のテスト機能、コスト効率を最大化するサイズ適正化の機能を含むか確認することが重要です。

概念実証テストとパイロットプロジェクト:

移行プロジェクトの初期段階において、特に一部のアプリケーションを対象とした概念実証(PoC)テストの実施が有効です。これにより、移行プロセスの流れを把握できるだけでなく、アプリケーションが必要とするリソースやクラウドベンダーが提供する機能と制約(例:VM数、ストレージタイプ・サイズ、ネットワーク帯域幅など)についての確認も行えます。

パフォーマンスとリソースの確認:

メモリ使用量が多いアプリケーションにとっては、適切なパフォーマンステストが特に重要です。本番環境の負荷をシミュレートし、必要なメモリやCPUリソースを確保したクラウドインスタンスの選定を行う必要があります。これにより、実際の稼働中にパフォーマンス不足やリソース過剰といった問題を回避できます。

クラウドインスタンスのサイズ適正化:

移行ソリューションを検討する際に、クラウドインスタンスのサイズ適正化をデータに基づいて行う機能を持つソリューションを選定することが重要です。この機能により、オンプレミスのリソース使用状況を評価し、クラウド環境でパフォーマンス最適化とコスト効率の両面からインスタンスサイズを推奨してくれます。これにより、クラウド移行後も予算内で高いパフォーマンスを維持できます。

クラウドでの直接テストの利点:

理想的には、クラウド上で直接アプリケーションテストが実行できる移行ツールを使用することです。この機能を利用することで、稼働中のシステムに影響を与えず、実際のデータを用いてアプリケーションのパフォーマンスや動作を確認できます。テスト終了後、テストクローンは簡単に破棄され、運用環境に影響を与えることなく、ストレージサービスの選定やリポジトリの移行に関する洞察も得られます。

テストの重要性:

テストを多く実施すればするほど、移行プロセスはスムーズに進行します。次の項目を確認するために十分なテストを行うことが推奨されます:

クラウドでのアプリケーションの機能、パフォーマンス、およびコスト効率
移行ソリューションの特徴と機能の検証
適切な構成と費用のベースライン策定:

最終的に、このテストとサイズ適正化により、最適なクラウド移行の構成設定(セキュリティ制御、ファイアウォールの代替機能など)を理解し、移行プロセスの完成へと導きます。また、クラウドでのデプロイにかかるコストのベースラインを策定するための基礎データも得られます。

移行フェーズの戦略的アプローチ:

クラウド移行は、徹底した評価、計画、テストの実施が成功の鍵です。特に企業には、段階的かつアジャイルなアプローチで進めることを推奨します。移行の各フェーズで成果を検証し、その結果に基づいて適宜計画を調整することが、柔軟かつ効果的な進行を支えます。また、オンプレミスへのリバート機能を持つ移行ソリューションを選定しておくことは、移行中の安全性を高める重要なポイントです。これは、問題が発生した際にリスクを最小化し、プロセス全体にセーフティネットを提供します。

データ同期とレプリケーションの重要性:

移行において、レプリケーションツールを使用する場合、データの同期と整合性の検証は必須です。特に大規模なデータセットを扱う場合、カットオーバー時やレプリケーションの途中でデータ同期が失われるリスクがあり、これに対応するためのプロアクティブなモニタリングと検証が重要です。

フェーズ4 – クラウド環境の最適化:

移行が完了した後、クラウド環境における運用最適化が次のステップです。クラウドは非常に動的な環境であり、リソースプロビジョニングやインスタンスの調整を需要に基づいて柔軟に対応できます。この柔軟性を活かして、インスタンスのタイプやサイズを最適化し続けることが求められます。クラウドベンダーの新しいサービスや製品の更新を常にチェックし、継続的なテストと最適化を行いましょう。

また、コスト管理はクラウド運用の重要な要素です。クラウドベンダーが提供するガバナンスツールや予測レポート機能を活用し、運用コストを最適化しつつ、予算内でパフォーマンスを維持することが求められます。これにより、予算を超えることなく高い運用効率を保てます。

IT運用管理とカスタマイズ:

移行後のIT運用では、セキュリティ、パフォーマンス、可用性、バックアップ、障害復旧の各要素を適切に管理できるように、メンテナンスレイヤと透過性レイヤを並行して整備します。クラウドベンダーが提供する管理ツールを活用するだけでなく、APIを使った独自ソリューションのカスタマイズも視野に入れるとよいでしょう。

また、クラウドマーケットプレイスを定期的に評価し、必要に応じて、モニタリング、バックアップ自動化、ファイアウォール管理などの運用をサポートするサードパーティのツールやサービスを導入することも効果的です。これにより、クラウド環境の全体的なパフォーマンスと運用効率をさらに向上させることができます。

セキュリティの可視性と監視体制
セキュリティチームは、リアルタイムの可視性を提供することで、法務部や他の関連部門が即座に状況を把握できる環境を整える必要があります。具体的には、アカウントのアクティビティやユーザ認証の追跡を通じて、組織内のセキュリティ体制を強化します。さらに、大量のデータ削除や文書の不正送付など、異常な事象の発生時には自動警告システムが必要不可欠です。これにより、早期に対応しリスクを最小化できます。

セキュリティインシデントが発生した際は、セキュリティチームと法務部が連携し、コンプライアンスに準拠した対応を取ることが求められます。ここで重要なのは、インシデント対応のプロセスが明確に定義されていることです。迅速かつ適切な対応により、ビジネスの継続性を確保し、規制への対応力を高めることが可能です。

サードパーティアプリケーションの導入と監視
サードパーティのアプリケーション導入に際しては、まず法務部とセキュリティチームが連携し、導入後の監視体制を強化することが重要です。法務部は、警告のしきい値設定や監視すべきアクティビティについてセキュリティチームに助言を行い、セキュリティリスクを最小限に抑えるための体制構築を支援します。特定のアプリケーションに対するデータ漏えいの懸念がある場合、特定のダウンロードやログイン、その他のアクティビティを重点的に監視することが求められます。

複数のサードパーティアプリケーションを使用している場合、セキュリティ情報・イベント管理(SIEM)ツールの導入を推奨します。これにより、複数アプリケーション間の統合的なアクティビティ監視が可能となり、疑わしい行動の早期発見やリスク評価が容易になります。日常業務における活動の全体像を把握し、セキュリティ上の潜在的脅威に迅速に対応できる体制を構築します。

ベンダー審査と継続的監視

新しいソフトウェアやツールを導入する際は、厳格なベンダー審査を通過させることが必須です。アプリケーション導入後は、セキュリティチームが運用計画を実施し、SIEMシステムを使用した異常監視を行います。異常が検出された場合、あらかじめ定めた手順書に基づき対応し、適切な対策を講じます。このプロセスにより、導入されたソフトウェアが適切なセキュリティ基準を満たしていることを確認します。

セキュリティチームは法務部や情報システム部と協力し、アクセス制御、管理ポリシー、暗号化規則などを決定します。これにより、組織のセキュリティ要件に適合する運用体制を確立し、規制や業界標準に準拠したセキュリティフレームワークを提供します。

コンプライアンスとツールの精査
新しいアプリケーション導入時には、コンプライアンスの維持が最優先事項です。導入前に、ベンダーの審査を行い、ログ記録、アラート機能の自動化、API統合といったセキュリティ要件を満たしているかを確認します。ツールのリスクレベルを評価し、必要な制御機能が不足している場合は、そのツールの導入はセキュリティ要件を満たさないことになります。ツールの適正チェックプロセスは、組織がセキュリティとコンプライアンスの責任を果たすための重要な要素です。

このような精査プロセスを通じて、ビジネスリスクを最小化しつつ、規制や業界基準に準拠した運用体制を維持することが可能となります。

アプリケーション開発の進捗状況を評価する

貴社は現在、より高度で効率的なアプリケーション開発を実現できていますか?
私たちは、企業が「より完璧なアプリケーション」を構築・管理する上での5つの重要な柱について、どの程度進捗しているかを測定するための調査を行いました。各企業は、これらの柱に基づいて10点満点の評価を受け、それらのスコアを基に総合スコアが算出されました(調査の詳細はレポート末尾の「調査方法」をご参照ください)。

調査結果の概要

調査結果によると、企業全体としては、アプリケーション開発と管理の成熟度はまだ発展途上にあることが示されました。全体の平均スコアは10点中6点台にとどまり、特にリーダーグループと遅れを取っている企業の間で大きな差が見られました。ソフトウェアリーダーと呼ばれる先進企業群は、平均スコア7.57点を記録しており、他の企業よりもはるかに進んでいます。一方で、立ち遅れた企業の平均スコアは4.39点と低く、顕著な差が浮き彫りとなりました。

地域別のリーダー企業の割合

地域別に見ると、日本の企業はリーダーグループに含まれる割合が25%と、オーストラリア(11%)、米国(15%)、英国(16%)、フランス(18%)、ドイツ(20%)に比べて非常に高い割合を示しています。これは、日本企業がアプリケーション開発と管理の分野で先進的な取り組みを行っていることを反映しています。

ソフトウェアリーダーとは?

リーダー企業とは、アプリケーションライフサイクル管理における5つの柱全てにおいて卓越した進歩を遂げている企業群です。調査対象の約25%がこのリーダー企業に該当します。彼らは、より優れたソフトウェアを構築することが企業の戦略的優先事項であると考えており、90%がこれを重視しています。

リーダー企業の特徴

リーダー企業は、他の企業と比較していくつかの重要な領域で優れたパフォーマンスを報告しています。過去3年間にわたって高い利益成長率を記録しているだけでなく、以下の分野でも競争優位性が高いと自認しています。

ブランド認知の強化
従業員エンゲージメントの向上
財務パフォーマンスの優位性
イノベーションのスピード向上

これらの要素は、リーダー企業が競争力を維持し、成長を続けるための重要な基盤となっています。

ここでは、データ主導のアプローチに基づいて各企業の現状を分析し、どの領域で改善が必要か、または競争力を高めるための戦略を策定する上で有益な情報を提供します。企業のアプリケーション開発における成熟度を客観的に評価し、今後の方向性を見定めるための指針として活用することができるでしょう。