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ASM(Attack Surface Management)(5)

AIによるリスクデータの相関分析:SOCリソースを最適化するEDR運用とデータガバナンス戦略

昨今のサイバーセキュリティ対策は、「侵入前の脆弱性データ管理」と「侵入後の挙動データ分析」という2つのデータセットをいかに効率的に扱うかに集約されます。

まず、ASM(アタックサーフェス管理)は、自社だけでなくサプライチェーン全体にわたり、どのような「資産データ(アセット)」が存在し、それに紐づく「脆弱性データ」がどれだけあるかを網羅的に収集・可視化するデータ基盤です。これにより、リスクを定量的に評価し、対策の優先順位付けが可能になります。加えて、内部のIDに関するリスクデータを可視化するサービスも紹介します。

次に、侵入後の対策としてEDRを導入している場合、多くが「アラートデータの洪水」という課題に直面します。これは、セキュリティ人材が膨大なアラート(ノイズ)の分析に追われ、本当に危険なシグナルを見逃すリスクを高めます。データ分析の観点では、S/N比(シグナル/ノイズ比)が極端に低いデータを人手で処理している状態です。

この課題を、AI(人工知能)と脅威インテリジェンスデータを活用して解決するアプローチをご紹介します。「CyCraft EASM/IASM」および「AIサイバーインシデント分析官サービス」は、EDRから収集される膨大な挙動データをAIが自動で相関分析し、脅威インテリジェンスと突合することで、人手では不可能なレベルで「真の脅威」だけを抽出します。本セッションでは、これらのリスクデータがダッシュボード上でどのように可視化され、分析工数を削減するかをデモで解説します。

データガバナンスが企業価値を測る指標(KPI)となる時代
委託元から受領した個人情報や設計データといった「重要データ」の管理体制は、いまや取引継続性を判断するための重要な評価指標です。

個人情報保護法やGDPRなどの法規制は、企業が遵守すべきデータ保護の「ベースライン」を定義しています。さらに経済産業省が推進する「サプライチェーン・セキュリティ対策評価制度(2026年10月運用開始目標)」により、今後はサプライチェーン全体を通じたデータガバナンスの証明が求められるようになります。

これは、大企業だけでなく、サプライチェーンを構成するすべての関連企業が、「自社がどのようなデータを保有し、それをどう保護しているか」を客観的なデータ(監査証跡)として提示できる体制を構築する必要があることを意味しています。

IRMによる「データ中心」のアクセスログ管理とガバナンス強化
従来の境界型防御では、一度境界を越えたデータの保護は困難です。そこで、ファイル単位で保護するIRM(Information Rights Management)ソリューションが、データ中心のガバナンスを実現します。

これらのソリューションは、ファイルそのものを暗号化し、そのデータに対する「アクセスポリシー」を埋め込みます。これにより、ファイルがサプライチェーン上のどこにあっても、「誰が」「いつ」「どのファイルに対し」「どのような操作(閲覧・編集・印刷・コピー等)を試みたか」という詳細なアクセスログデータを取得・制御することが可能です。

3DCAD等の設計データ(非構造化データ)にも対応しており、業務効率を維持しつつ、厳格なデータガバナンスと漏洩防止を両立します。委託元からの監査要求に対し、ファイル単位での正確なアクセス証跡データを即座に提示できる能力こそが、客観的な「信頼」の基盤となります。

「預ける側」のリスクデータ管理:主観的な監査から客観的なログ管理へ
企業はデータを「預かる」と同時に「預ける」立場でもあります。従来のリスク管理は、取引先へのチェックシートや定期監査が主流でしたが、これらは「自己申告ベース」の定性的なデータであり、形骸化や虚偽報告のリスクを内包しています。

不正確なデータに基づくリスク評価は、重大なインシデントを見逃す原因となります。

IRMは、データを「預ける側」が、預けたデータの利用実態(アクセスログ)をシステム的に(=客観的に)収集・管理する手段も提供します。これにより、サプライチェーン全体にわたる情報漏えいリスクを、主観的な評価ではなく客観的なログデータに基づいて一元管理し、制御することが可能になります。